岡田幸子オフィシャルサイト

食養研究家の顔

養生食から見たチベット

西寧で何より印象に残った事は、チベットの人の優しさと、瞳の輝きでした。
その限りない優しさで、宇宙、天体、森羅万象を深く見つめ、全てを受け入れ自然と共に生きてゆくという考えのもとに、深い信仰であり、哲学であり智慧である蔵医学が生まれ育ったのではないかと考えました。

ふるさとのような懐かしさを覚える場所として、今も忘れた時は有りません。

私は、自分自身のひどい肌荒れや、アレルギー、そして右手中指の先に三十年来在ったタコの様な異常増殖したものを、「発芽ハトムギ」と「ヨモギ」を常食とすることで、二ヶ月という短い時間で完治したことから、食品の機能性や養生食を研究することになり十数年を経ました。

「ハトムギ」はイタリア、インドネシア、中国等世界各地に産し、「太陽の小麦」「真珠の麦」「聖者の涙」等と呼ばれ価値ある食物として用いられて来ました。「ヨモギ」に至っては縄文時代から食されてきた健康食であり、いずれも現代漢方に於いても種々配用され、又、食事としても用いられているまったく副作用の心配の無い素晴らしい食べ物です。

西寧にも、「青果麦」という素晴らしい食物が有り、この麦を煎って粉末にしたものをバター茶に入れ、熱いうちに手で練って食べるツァンパはとても香ばしく、美味しい物でした。

又、この麦を発酵させて作った「青果酒」も48度という高アルコール度数にもかかわらず悪酔いをしない、爽やかな味の美味しいお酒です。「人参果」も青海省特産という表示に直感的に惹かれ、沢山購入しました。通訳のグンガさんが「土から掘り出すものだから、よく洗って茹でて下さい」と教えて下さったので、私はてっきり煎じてお茶で飲むような物と理解していましたが、何かと、翌朝ホテルの玄米粥の中に沢山入って出てきたのです。

何か大いなる力が、私に食べ方を教えてくださったのだと感謝しました。日本に帰ってからも、私の「健康料理教室」や「重陽の節句」のパーティーを主催させて頂いた時にも「ハトムギ粥」の中に入れ食べて頂き、調理法や、美味しさ、栄養的にも優れた物であることをお伝えしました。

今後、日本食にも色々と応用していきたいと思っています。又、ツァンパの中に入っていた粒々した食感の「チュラ」というものは、消化を助ける働きをするとヤンブンシャ先生に教えて頂きました。

土族の村では、アルコール発酵をさせた、甘酒のような味の青_麦を食後に食べると消化に良いと、お皿に山盛り一杯供して頂きました。又、薬草の勉強に出掛けた草原の昼食で頂いた三洋の乳のヨーグルトも格別の味でした。

標高3,000メートルを超える高地では食物の消化吸収を良くする為の工夫や智慧が、きっとまだまだ有る様な気がしています。

私は25年間「パンとお菓子の教室」を主宰していますが、土族の村でも見ましたが、トンブンジャさんのお家を訪問した時に「ふるさとのパン」と言って食べさせて頂いた、とても大きなパンはどのような酵素で発酵させ、どのようなオーブンで焼いているのでしょう、ぜひ私も焼かせて頂きたいと念願します。

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